ドミニオン日本選手権2014予選レポート

ドミニオン日本選手権2014に参加しました。
前年はドミニオン始めたばかりだったのでボコボコにされて終わりましたが、今回の僕は一年間とはいえされど一年間積み上げてきた経験があるので、活かしてなんとか勝ちたいと気合ッ!入れてッ!行きますッ!な感じでした。
本戦参加が目標です。一般には予選突破とも言う。

 

 

 

【1回戦】

そんなわけで始まったドミニオン日本選手権予選午前の部。
1回戦。席に着くとそこには木ドミの姿が!

ちなみに僕はこの一年間、小さいものを含めいくつものスイスドロー形式の会に参加してきましたが、1戦目に3位以外の順位を取ったことがありません。スイスドローの仕組み上、上位卓ならまだしも1戦目ですよ。
ちなみにその8割以上が木ドミ相手です。木ドミこわい。
そんな謎ジンクスをここでも回避できずフラグ回収してしまうのか…と若干だけ気分が沈み気味に(オカルティズム)。
気を取り直してサプライ発表。

サプライは以下の通り。

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2:堀
3:名品
4:鍛冶屋、金貸し、広場
5:魔女、書庫、議事堂、熟練工、予言者

サプライ見た瞬間に思ったのは、「あっ予言者罠だな」でした。
基本ギルドはカードプール狭いので事前にある程度組み合わせが予測できるわけですが、「魔女か予言者か」を問うサプライが一度は登場すると踏んでいました。
そしてもうひとつ、基本ギルド環境で予言者が出題される際は、ほぼ罠だろうと踏んでいました。
予言者は打つ度に-1点を配りますが、デメリットの1ドローで相手に1点以上取られます。
メリットである金貨獲得が有効に活きれば話は別ですが、金量欲しがるならドロソが並んだこのサプライは名品様で十分です。
金貨をデッキに入れられればそこそこ高い金量は出るようになるかもしれませんが、呪い場なら素で「8金を超える」状態は作り出せません。
それは予言者を打つ側の手札が4枚になることも理由のひとつになります。確かに影響力のある強力なカードではありますが、デメリット持ちである以上はメリットとの釣り合いなど、その性質を見極めないと致命傷を負います。
(もっとも、全てのカードは手札リソース割いている時点で既にデメリット持ちとも言えるのですが、予言者には即時の見返りが無いので1枠の丸損に感じることが多いです。)
少なくともこの場では良いこと無しです。
一方でドロー効果を持つ魔女はデッキの回転を早めます。その意味は、呪いを撒く回数自体が増えるということです。
予言者と魔女で同等のステロデッキを仮定した場合、予言者が1ターンに5枚進める内に、魔女は5+2(+1)進みます。
大雑把に言ってしまえば、予言者を2回打つ間に魔女は3回打てるわけですね!(いくらなんでも適当すぎるが、予言者は打つ度に自分も1枚獲得が入る以上は更に回数は減る。実際はデッキがこの仮定ほど薄くはないし毎ターン打つわけではないけど。)
ゲーム全体で限られた呪い撒き10回(+堀回数/3)を2人3人で分担する以上、1.5倍近く撒けるのは圧倒的に優位性が高いです。
ここまでは予習。

さて、予言者をdisり切ったところでサプライを考えます。
呪い撒きが魔女と予言者の二択(と言ったものの先述通り)、民兵などの手札干渉アタックはありません。
むしろ予言者と議事堂が後押しする展開はありますね。
広場書庫を組むほどの妨害はできないので、書庫はドロー数も少ない、呪いは引いてくる、とただ弱です。
5金帯は魔女と熟練工が光ります。初手から5金がいると魔女による妨害、熟練工によるステロがどちらも崩し難いのでそれだけで厳しくなります。
4金では鍛冶屋銀でスタートできますが、呪いが入ると純粋なステロでは8金を3度4度は出せません。
そして、これだけドローカードがある上でこのサプライのキーとなるのが名品。ドローにより得た金量を足がかりに名品を買い、その金量をドローによる手札リソース増加で活かせる名品ステロは強力な戦術です。
鍛冶屋ステロで先ほど「純粋な」と言ったのは銀貨しか無い場合のことですが、名品さえあれば鍛冶屋売って1枚平均1.15金は余裕で超えるラインなので属州は軽いです。
鍛冶屋自体は引けない確率が高まりますが、それでも平均1.6金に大幅に近づくのは間違いないでしょう。
名品の平均金量の高まりは、ワンチャン議事堂や予言者のドローでも8金出るので相性的にも強いです。あとは純粋に偏りによる銀貨4も期待できます。
めっちゃ名品推ししていますが、本当にこの場は名品が強いんですよ。
そして、鍛冶屋銀でもなんとかなりそうなこと言いましたが、初手熟練工には適いません。完全上位互換と言っていいです。
2巡目にこそ銀貨は入りませんが、そんなものは名品購入で無かったことになるのがこのサプライです。そのための1金、それを超える2金を、屋敷避け性能により捻出するのが熟練工です。
初手5金がいたら魔女と熟練工のどちらに転ぼうと厳しい展開しか見えません。
そうか…これが基本ギルド環境……噂通りか。
呪いに対抗するには、廃棄が無い以上は堀ステロが考えられます。割と終盤まで活きるので、初手魔女が見えたら銀-堀は有効に思えます。

金貸し?呪い場で平均金量下がるから無し、ドミマニで習ったよね?
まぁそうでなくとも広場があるので銅貨切るメリットは薄いのですが。


さぁ運命の手番決め。なんと1番手!
自分の右側に座っていた木ドミ氏は4番手に!
大会サプライというものは往々にして1回戦がステロ重視のため手番ゲーになりやすいですが、特に基本ギルド環境なこのサプライで引いてこれたのは幸先が良いと言えます。

試合開始ッ!
先述の通り初手5金がいるとそれだけで厳しいです。
(いたら予言者取ってくれ…)
1番手故に何も情報が無いわけですが、相手の魔女を読んで堀を取るにしても2ターン目でいいのがドミニオンよくできてる。
そうは言っても1番手堀ステロは後ろ向きすぎるので自分で呪い配りましょうってところ。呪い貰わない一番の手は自分で配ること。
なんにしろ3金なので銀貨購入。

1番手:銀-鍛冶屋
2番手:銀-銀(記憶が曖昧)
3番手:金貸し-銀
4番手:広場-銀

無事に初手5金がいないことを確認しての鍛冶屋購入。
仮に誰も呪い撒かなかったらこのまま鍛冶屋ステロで行きます(大嘘)。
それにしても4番手氏から不穏な空気しか感じない…。

3T目4金で広場購入。
すると早速2番手が予言者購入。呪い場始まったか…。
その後、3番手は予言者見たのに書庫買ったり後追いで予言者入れたり。
4番手は予想に反して熟練工2枚体制でステロ。
広場1のコイントークンで呪い分を補正する動き。

その間に僕が何をしていたかと言うと…広場買い集めてました。
呪い場になった瞬間に、ドロソの位置で負け得るステロには行く気が無くなりまして。
そうなると村鍛冶の動きをすることになるのですが、すると広場しかアクションが出ないので買い集め。
あと4番手も正直こう動いてくると思っていたので、サプライに豊富なドロソは後回しで村集めというわけです。

村鍛冶についてなんですが、理想は"村の数(+1)=鍛冶屋の数"とされているじゃないですか。アクションに無駄なくと。あれ僕は村の方を多くした方がいいと思ってるんですよね。
手札にいずれかが1枚だけってシチュエーションでは、鍛冶屋でアクション3枚引いて何の生産力も無し、が最悪のパターンですから。村鍛冶屋鍛冶屋でも連鎖終わりです。
いずれにしろ初動は村の数が勝った状態でなければならない。

ケースバイケースだと言うなら、少なくともこの場に限れば間違いないです。
まず1に先述の通りだが、特に荒れ場であればパーツが揃う確率が減るわけで、確実に村から起動させたい。
2に、+buyが無い場なので1ターンで4金出ればそれで良く、属州 フェイズの村鍛冶以外は村鍛冶を繋げるほど出力を高める必要性が無い。
3に、村ではなく広場。
コイントークンしまっちゃうおじさんで4金だけ出し続ける動きが最良。
鍛冶屋でも4金は出せるが最終的に残る成果が無い。

確か3ターン目からの購入順は
広場→魔女→広場→広場→堀→広場→広場→熟練工→広場
みたいな感じ(※あくまでイメージです。実際の購入順とは異なる場合があります)。
広場あと1枚多かったかもしれないけど、試合中はデッキ内全て把握して動けていました。
広場は実質デッキ枚数には含まれないキャントリップ(どころか許容するドロソが増える分だけ早まる)ので、足止めに呪い撒く回数は断トツです。

熟練工投入でほぼ引き切りの形が完成したので、1枚だけ金貨を投入します。
あとは10枚並べてるコイントークンを切って確実に8金調整しつつ毎ターン魔女打つだけで3山切れのゲームエンド。(広場後追いされて数枚買われた上で、公領と呪い切れ。)
呪いは1回防いで1回防げたけど防がずドローして、最終的に4枚受け。
属6枚の計30点。
結構綺麗にできたのではないだろうか。
コイントークンの使い方といい、予言者の見方といい、ナスカの練習会での経験や自身で考察してきた知識量の違いによってしっかりと立ち回れた故の勝ちに思えます。
嬉しい勝利だ。

名品?うん、村鍛冶で村鍛冶引けないはゴミ。
拷問人ロックマンの間では常識ですね。

しかしこの勝利、美談とするには落ち度があります。
他家の点数は19-19-20と全く危なげなかったのですが、ゲーム終了後にご指摘がありました。
最終ターンの前のターンで一度事故って、広場無しで魔女打って1金だけのターンがありました。その時にコイントークンが8つ。
属州は潤沢に余っているので、ここで7トークン払って次のターンの行動を縛るのはツライと考え、1トークン支払って屋敷を買いました。
その時は公領が枯れており、他家が明らかに属州を買えるデッキではない以上、どう足掻いても1点プレイが限界です。対してこちらはいつまでも属州を買える状態だったのでその選択に至りました。
指摘は、ここで既に属州を買っても良かったのではないかとのことでした。
確かに次のターンが来るかというのは呪い枚数が残り3以下であるために不確定だったので、完全に見落としでした。

結果だけを言うなら、自分が魔女打ったターンでは全員が屋敷購入、手番回ってきて引き切り魔女+属州購入なので、自分は1点得をしています。
しかしリスクを負う意味が無い以上、ミスと言われて納得する動きでした。
何がリスクになるのか判断できていなかったので反省です。

何はともあれ、一先ずはジンクスを打ち破り出だしの良い1勝。
木ドミにだって勝てるんだ。

 

 

【2回戦】

2番卓という慣れない場所に座り緊張していました。

サプライは以下の通り。

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2:石工
3:村、工房
4:金貸し、改築、民兵、玉座、伝令官
5:熟練工、商人ギルド

4コス以下の全てのカードが「コンボしろ」と主張していますね。
でも属州3枚までなら熟練工の方が早いだろうし、定常的に公領を取り高い点数が確約されている商人ギルドも曲者です。
やはり初手5金が強いのは避けられない印象ですね。
直接の抑止力というのは民兵しかありませんが、これも初手5金にはほぼ無力です。
上手番民兵は下手番の5金抑止に効果覿面ですが、初手5金から取られたのでは最大のメリットが無くなっているも同然です。
その後も、2巡目熟練工にギリギリ6金出されてしまえば加速は止められないし、特に商人ギルドはそもそも手札リソースで戦うカードではないので相性の悪いカード筆頭と言えます。

しかし間接的な抑止力はあります。
3山枯れです。石工があり工房があり改築があり…と上手くやれば突然の死を起こせるかもしれません。
とはいえ熟練工も商人ギルドも先行型なのですが…。
何より、コンボをするに当たってこのパーツ郡では自分が金量を出せないので、自らも商人ギルドを使い重ねるか、改築で勝利点を取るスタイルに絞らないと成立しないと思いました。改築ルートは息が短いので一瞬の隙を突くしかなく、商人ギルドも銅貨が入ればデッキが死ぬので、いずれも属州2枚前後で枯らすパターンになるでしょうか。自分含め複数人コンボを狙ってくれる人がいればパーツ枯らすまでの準備は早いのですが、そうなるとも限りません。

初手5金さえいなければ銀銀からギルドステロか…?
初手5金がいたら劣化版なので勝てないのですが。


手番決めは1番手!
幸運すぎる。

試合開始。
1番手なので5金がいないことを祈りつつ民兵-銀スタート。
パーツ集めについてですが、別に改築工房を使わなくても石工がある限りお金を出す方向から手を出せるんですよね。
周囲は、2番手改築-工房、3番手金貸し-銀、4番手改築-村だったかと思います(曖昧)。
そして4ターン目に民兵打った時の出来事です。4番手の方が
「それどんな効果ですか?」
そうか、そうですね。
大会二戦目ではよくあることです。
直近数回の木ドミでは初心者に対するカード効果解説の機会が多かったのでそれが地味に活きたのか、テンパることなく続行できました。
ただ、これは山切れが近いだろうと一層警戒を引き上げました。

僕がコンボデッキを目指す中周囲の状況は、2番手の改築工房は流石に速く、3番手はギルドを入れてコイントークンで行動、4番手は改築ステロ…に近くはあるんですが、序盤から銅貨と屋敷も買っていました。
ここまで言えば既に分かるかもしれませんが、この方はソピアネントさんの目を覚ました方です。考え込んで黙っていると、ワイワイやりましょうよ~と言って場を明るくしました。
こんな卓があってもいいと思います。

なお、最初の属州は4番手の方の金貨改築によって獲得されました。
よく喋る方だったので、核心を突く発言もあり、内心ビビってました。僕の予想を裏切った場の動きが起きる際にもそれを予見していたかのような発言が事前にあり、僕が「いや大丈夫、あのデッキは弱い…!あのデッキは弱い…!」と脳内で自己暗示するくらい精神的には追い詰められてました。

実際の盤面的にも2番手3番手に負けていたわけで、そりゃコンボするなら改築工房の方が強いし、そうでないなら商人ギルドの方が強くて当たり前です。
この状況に自分のデッキ作りも迷走します。やっぱりコンボなんてのは苦手で。
プレイも、玉座伝令官民兵という手札で伝令官打って商人ギルド引いてきたりしていました。なぜ玉座伝令しなかったのか。

ただ、2番手のデッキは当初の予想通りにお金が出ませんでした。民兵は追加しましたが、それだけです。お金を追加しても伝令官が回らなくなるだけです。
3番手のデッキも、商人ギルドが最大限活かせるデッキかというとそうではありませんでした。金貸しの他にも改築などアクションを多く投入したり、デッキ回りが遅くなる石工過払いをしていました。

さていよいよ山切れ目前というところ。
サプライは伝令官0の状態で石工4村1改築2とかその辺りです。
伝令官から民兵を打ち7金。
ここで長考します。
3番手が属州2枚先行している状態、お金も出ないデッキで持ち点屋敷2枚の自分が活きる活路はどこにあるのでしょうか…。
幸い1トークンあります。よって属州が買えます。
しかし知っていました。
ここで属州買ってもそれ以降公領すら買う力が無いと。
リシャッフル前でデッキ底には商人ギルドと伝令官。
石工購入で5金過払い商人ギルド商人ギルド獲得を宣言。
あーやっちまったな4位さえ取らなければ次に望みが繋がったものを…。
確実に属州です本当にありがとうございました。
完全に負のスパイラルに陥っていますね。

3番手は山枯らしに動くし、4番手は中盤かのように改築を買います(3山でゲームエンドは知っていましたが)。
僕はというとリシャッフル後はトップ民兵でした。
属州を買わなかった後悔を引きずりつつもおそらく最後の伝令官を打つと、めくれたのは伝令官!
その伝令官でめくれたのは商人ギルド!!!
あれ!?
これは前ターンの購入が活きた形では。
アクションが残り2つあるので、手札の民兵と商人ギルドを打ち属州購入します。
6コイントークン獲得。強い。
確実に次のターンも属州が買えます。
しかも民兵打ってるからこの周回で属州買う人はいません。
なんだこの状況は。

3番手は山枯らしに動きますが、僕は次も属州を買います。何気にここでも商人ギルド打ってるのが、まるでゲーム展開を見透かしたかのような素晴らしい動きです(運)。
そのまま3番手が5金で改築購入し、3山切れでゲームエンド。

結果は14点単独1位。
3番手は勝ってると思って枯らしたところが、屋敷2枚切っていて13点だったようです。
公領にしておけば良かった~!と嘆いていましたが、それ、僕はここにある4コイントークンで更に属州買えますよって会話してました。
(てかそれがプレッシャーになっていたのかと思ってた。)
完全にラッキーパンチとはいえ、一応それを起こし得る選択ができたという点では悪くはなかったのかもしれない…?
もっとも、コンボ構築力さえあればこんな博打勝負せずに済んだものを…。

 

 

余談なのですが、この2回戦、他の卓の試合はやはりと言うべきか初手5金に苦しめられていたようでした。
はかせさんと雑談して、民兵打ったけど初手5金の商人ギルドの人だけは止められなかったといった話を聞いた際に、「民兵は5金抑止の役割だから最初から5金は何も止められてない上に生産力の拡大速すぎてどうしようもない」と相槌を打てたので、ほんとそれ、と頷かれるようなコミュニケーションができて、我ながらわかり手力が高かったと思います。
ちなみにこの後みなとさんとも全く同じ会話するbotでした。
それだけ初手5金は脅威ということなんですよ…。
ここまで1番手1番手で誰も初手5金がいなかったのは幸運としか言い様がありません。

余談2なのですが、1位1位で既に大会VP12点取ったので、ほぼ抜け確定おめでとうございます!と何人かに言われました。
もちろん今までが幸運だっただけに全くそんな気は無く、浮かれるようなことは無かったのですが。
そこでみなとさんから「でも僕も一昨年1-1でほぼ通ったと思ったら1-1-3-4でギリギリ落ちたような感じだったからね」というお話を聞き、一層と気を引き締めるハーフタイムでした。

 

 

【3回戦】

1-1と通った以上はもう知った顔しかいないわけで。

サプライは以下の通り。

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2:礼拝堂、石工
3:木こり、工房、名品
4:鍛冶屋、役人、庭園
5:肉屋
6:冒険者

やってきました庭園場。
午前も午後も一度ずつ出題されるであろうという、基本ギルド環境唯一の特殊勝利点場です。
他セットの小難しい特殊勝利点と比較し、庭園は実に簡単な点数換算方法です。
デッキ枚数というのは、ゲーム終了までのターン数とカード獲得手段によってのみ変動し、噛み合わせが問われる他の特殊勝利点カードほど大きなブレはありません(※ルート参入人数諸々の要素も広義的にゲーム終了までの猶予に含むとする)。
10枚区切りという区切りの大きさは、特殊勝利点の中で最も判断が容易とすら言えます。
例えばこのサプライで1枚4点(デッキ40枚)はほぼありえません。…というのが分かるようになるだけの経験は積んできたつもりです。
直前練習でも、しゃべドミや東ドミ上層部会に参加できたのはかなり大きかったです。
とはいえ感覚頼りは止めて、やはり獲得カードと+buyカードから数えるのが定石でしょう。

アクション増加しないどころか、エンドアクションしか存在しない以上は、石工による獲得は多用できません。そもそも、4金や5金で石工を買うなら通常は庭園や公領を買います。ギリギリ2巡目で考える以外はタイミングが無いでしょう。
名品は鍛冶屋から買うことになるでしょうが、その場合属州狙いつつの庭園カットになるので得点源としては重要ではありません。
そして基本セットの頃から長く庭園のお供をしてきたカード郡、木こり、工房、役人。庭園ルートではこれらの選択がキーになると思われます。まさにこの辺りの考察は上級者のブログで綿密に解説が行われていたところなので、その知識をどう目の前の場に当て嵌めるかが重要になります。

さて対抗ですが、庭園ルートに行かない場合は非常に厳しい戦いになります。
最速の礼拝堂と最強の肉屋があるとはいえ、庭園3人属州1人で割れれば、山枯れ前に属州4は行けないので絶望的なルートです。
2-2で割れた場合は試合の速攻終了は免れますが、3人目視点では庭園参入した方が都合の良いサプライに見えます。
商人ギルドでもあれば3人目は属州選んだ方が強いのですが。
かと言って4番手が庭園枚数を確保できるかと言えばそうではなく、手番差がツラい形となって襲います。
こればっかりは祈るしか…。


手番決め。
3番手…普通だな!
選択権を握らされるのは得意ではないので、実に困ったところ。
3人目って工房入れないのでは…。

試合開始。
1番手工房のあとの2番手、なんと礼拝堂!
5-2引いてたかー。本人も悔しそうでした。
しかし、庭園ルートに工房で参入できることになり、僕にとってはありがたい話でした。
4番手どうするのかと思えば木こり。

既に確信したのですが、やはり1-1で抜けてきた人たちだけあって理解度が約束されています。
1回戦2回戦とは話が違います。
庭園というカードは、ルート選択や参入人数がサプライ理解度以上に重要視される性質であるため、自分の想定がどの程度見通しとして正しいかは重要になります。想定が正しいほどそれを元に選択肢が絞られます。
工房から入れば庭園の獲得力は高く、1人目は当然、2人目も入るべきだと思っています。上手番(特に1人目)は他の庭園ルートプレイヤーに庭園枚数で差を付けることができる可能性があります。
しかし3人目はその希望が薄く、木こりで同じく2獲得を出しつつその2金で公領を買う選択が最良と僕は考えています。
庭園が4点に伸びない以上、庭園枚数が確保できなくとも公領が取れればそれで問題が無いのです。しかも+1buyは1獲得なのでデッキ枚数でも同等。
僕の思うその想定手を取ってきた時点で、「この場で属州側勝利は無い」と思うことができました。
予想外の道へ外れることなくゲームが終了するだろうと。
ドミニオンの言語において、山を枯らす結託は完了していたのです。
(無論、誰しも1位を目指しているわけですが。)
庭園を3回戦目という位置にしてくる出題者も食えないお方だと思いました。
ちなみに、3人共4金は名品過払い1で名品銀を獲得しています。

2番手は4ターン目に肉屋は打てたものの、礼拝堂が沈んだ様でした。
これで追い付くのはより一層厳しくなったわけです。
もっとも、被るよりは遥かにマシなんですけどね。

4番手ですが、なんと3ターン目に銀銅銅銅銅で名品過払い3金。名品銀銀銀を獲得します。
これはシャレにならないです。
何がマズいかって、ある程度金量が出るのもマズイですが、何よりそれが木こりデッキというのがマズい。
3ターン目で既にデッキが屋敷3の他に銀貨5銅貨8相当。
公領を目指すデッキにおいて、最高に噛み合っています。

それに焦るも、工房庭園側については特別な動きは無く、淡々と庭園に徹していました。
唯一違ったのは、3番手の僕が屋敷を獲得する動きをした後も、1番手は数ターン銀貨獲得していた点でした。
僕は銀貨を入れたところで公領が取れるデッキにはならないと思っていたので、早々と汚しつつ2金だけ出して屋敷を買うデッキを考えていました。
ちなみに庭園が枯れたのは1番手の工房+4金の2枚獲得だったので手番差のつらみというやつです。

さて庭園が枯れ名品公領と山も少なく屋敷は8枚、2番手が属州1枚の状態で肉屋を使い属州公領獲得プレイ、いよいよ終盤です。
3人は5金で公領それ以下で屋敷と淡々と動き、30枚を超える直前でした。
そして2番手が7金!8金行かなかったことに周囲は安堵しつつ。
買ったのは…

冒険者

確かに礼拝堂デッキだと強いけどね!
肉屋の廃棄対象なら金貨で良いのでは。
密偵と並び存在感が薄く、6コスト故に密偵以上に視界から外れるそんな冒険者。
しかも庭園ゲーでは2金めくる機械なので全く気にしていませんでした。
しかし…

次のターン:
冒険者!属州買います!

その次のターン:
冒険者!属州買います!

その次のターン:
冒険者!公領買います!

ファッ!?ウーン
公領枯れゲームエンド。
2番手氏 30点2位。
最終的にデッキ14枚ですよ。
何で購入後即毎ターン使ってるんですか…。
デッキ内の財宝は金金銀銀銅辺りだったと思うんですが、それでも冒険者使える前提ですよ…。

ちなみに1位は木こりルートの4番手が32点。
ここは予想通りで、完全に3ターン目のあの動きで公領力が桁違いでした。
工房の1番手と僕は27点で、手番差で僕が3位でした。
先述の通り、得点獲得の方法を具体的に考えていたところが違いになったと思います。

それにしても、といった感じでどうしようも無さ。
2番手で終わりでしたが手番回ってきたら僕も公領で30点。
流石に3ターン連続冒険者は…。
まぁ山札めくるのが冒険者の能力なので、宰相効果と思って納得するしかあるまい。
勝ち得る手を取った2番手氏に称賛を。

これが無ければ2位で予選通過確定だったものを…。

 

 

【4回戦】

抜け確できず大会VP13点で迎えた負けられない4回戦。
4位で予選落ちは言わずもがな、3位も偏りや勝利点によっては落ちるラインなので2位は欲しい状況です。
席に着くと横から黒い影が。
自然に声を上げてしまったので対面の人には何事かと思われたかもしれませんが、僕にとっては一大事だったんですよ。
なんとドミニオン界最強と言われるretletさんと同卓してしまったのです。
こんな説明しなくとも木ドミ知ってたりドミマニ読んでたりすれば既知でしょうけど。
絶対に負けられないところで当たりたくはなかった…。

サプライは以下の通り。

f:id:kamo29mof:20140727165112j:plain

2:蝋燭職人
3:村、医者
4:金貸し、民兵、玉座の間、伝令官
5:魔女、パン屋、肉屋

あっ、これ知ってます上手番が勝つやつですね。
まずパン屋があるので場が速く手番差がツライです。
肉屋があるので属州先行からのカットは当たり前になります。
肉屋ゲーで手番回ってこないは致命的。
民兵があるので下位手番がツライです。
呪いが混じるので下位手番がツライです。
とりあえず下位手番はダメだと思います。


手番決め。

4番手

もう嫌だよ…。
こんなん手番差キツイに決まってるじゃん。
しかもなんか左側のretletさんが一番手とかなってて絶望しか生まれないんだよなぁ…。

「1-1でほぼ通ったと思ったら1-1-3-4でギリギリ落ちたような感じだったからね」

あの時に十分フラグ立ってたんだよなぁ…。
しかもここまで1番手1番手3番手で1位1位3位だよ。
びっくりするほど4番手4位がオカルティズム的に成立してるんだよなぁ…。
なお下位手番不利はオカルトでも何でもなく、ドミニオンの現実である模様。

試合開始。
1番手れとさん。
なんかトークン使わず素の5金で肉屋買ってらっしゃる。
ただでさえ最高に隙の無い人に天命が下ってしまったので、流石にもう勝てるとは思わない。
完全に2位狙い。

1番手が肉屋-蝋燭職人(トークン残し)、2番手は何かと民兵、3番手は金貸し-銀(トークン残し)。
僕はトークン使って肉屋-銀を選択しました。
2番手民兵により更に1番手だけが断絶した聖域と化してしまった。
もう好きにしてくれといった感じだ。

3ターン目、1番手は肉屋で順調に屋敷を蝋燭職人へと変換。
微塵くらいは沈んでくれと願っていたけどダメだったようだ。もちろん肉銅銅銅銅でもない。
そして肉屋を購入。
一方で2番手が民兵打たず、屋屋銅銅銅で構えていた僕はより一層落ち込む。
4ターン目の肉銅銅銀屋を民兵され銅貨を落とすことに。

しかし3ターン目のれとさんの動きを見て思ったのは、「あっこの場は魔女無いんだ。」でした。
僕が初手で肉屋を選んだ理由は、
・速い
・対応力及び柔軟性が高い
・コンボもステロもいける
・コンボ以外では、民兵を打たれて最も被害が少ない
・蝋燭職人がある
・呪いの被害を軽減できる
というのが積極的なもので、消去法では
・4番手から打つ魔女は常にデッキ1巡相手への影響が遅い
・パン屋とかいうキャントリ1金取るわけないだろ!
・医者は肉屋相手に屋敷差1で負ける
・医者では呪いには対抗できない
という理由があったのですが、後々の展開は予想できていませんでした。
そこが読みきれないからこそ対応力の高い肉屋にした面もあるわけで。
しかしこの状況、少なくとも1番手の位置では妨害に加担するよりは肉屋2枚が速いと判断があったようです。

ルートとして、2番手は伝令官のコンボへ進み、3番手はお金プレイ気味にたまにアクションを挿したりしていました。
2番手のデッキですが、上手い具合に8割引き切りといった状態になっていて回転が速いので、現時点ではパーツ集めのフェイズですが、切り替えた瞬間から反映が早く気が抜けない状況です。
民兵の回転が早くなっていてつらいです。

1番手が属州を2枚先行すると、緊張感が高まります。
2番手はトークンを生み出し始め、3番手も玉座金貸しなど堅実に圧縮し金量の面では最も属州力が高いデッキができていました。
どちらも属州を購入、1番手は属州を切って属州獲得までしていました。

しかしこの時点で僕はとても落ち着いていました。
ここで思っていたことは、「もしかしてこの2人は肉屋のこと分かってないんじゃないか?」でした。
僕は、肉屋のことを分かっています。
れとさんはともかく、他の人よりは分かっている自信がありました。
それは、大会直前、肉屋を舐め回すように勉強したからです。
カードの移動、手札の組み合わせ、主要な確率…何が強くて何が弱いか、最終的に属州4購入までにどのターンでどの動きをしておくべきか、肉屋ステロに関してはやり尽しました。
コンボへの肉屋利用は分かりませんが、肉屋ステロは分かっていました。
そして、もうひとつ。
この場はなるべくして肉屋ステロが最強の戦術となっていました。

肉屋のある場は、終了条件が他とは異なります。
それを僕は3山のような特殊なものに感じます。
属州を切って属州獲得ができるので属州の実質枚数は都合よく減ります。
それだけでなく、8金無くとも廃棄獲得効果で減ります。
そして、8金無い状態が8金になります。
これらの異常状態が通常なので、得点は先攻すべきか、かなり早い段階から買っておかないと知らぬ間に属州1枚しか取れないままゲームが終わります。

金貸しから入った3番手は、そこだけならまだ確信はありませんでしたが、4金伝令官を買えるタイミングで銀貨を購入しました。
この時点で3番手は背中を刺せるかもしれないと思いました。
圧縮するなら伝令官ルートだし、そうでなければ何タッチのお金プレイををしても肉屋ステロには適わないからです。
理由は、肉屋のあるゲームでトークン無しに戦うのは、デッキに求められる属州購入ラインが他より圧倒的に高いところにあるからです。
それは、廃棄効果を考えなくともそうです。

コンボデッキを作った2番手は、そのコンボデッキが最終的に属州を買うレベルのお金を出す手段を得る見積もりが立っていませんでした。
結局は肉屋か十分なパン屋を入れなければならず、そのためのコストと手数がこの場では工面できないのです。
なぜなら、初手肉屋が可能なパン屋場だから。
ただでさえ爆速な肉屋場で、最初にコイントークンがあるとどうなるか、その肉屋が初手から取れて即使えたらどうなるか。
通常では強力な壁になる民兵も、初手5金は防止できません。

この場で医者が弱いのも同じです。
圧縮が見返りを得るまでゲームが続きません。
肉屋なら銅貨すら余すことなく活かせます。
そして、強圧縮は民兵に弱いです。
魔女対策としても、手札リソース1枚使って不確定枚数の呪いを破棄、それでコインも出ないのではデッキが前進しません。
購入時効果すら、購入手数が惜しいです。

そして魔女にも弱くなる事情がありました。
この場で魔女1人打ちでは敗北ルートです。
なぜなら、肉屋があるから。
仮に初手魔女にしたとして、入る呪いは3~4枚、その内手札を妨害できる回数は5(-銅貨変換数)回前後です。
肉屋相手にはゲームが長引きづらいのです。
まず、属州切れまでが速い。
そして、コイントークンがデッキ外にリソースを貯める性質上、デッキを汚す魔女では妨害が十分にならないのです。
2人魔女なら足止めになりますが、この場にはそうならない理由がありました。
1番手が早々に3ターン目で肉屋2枚目購入、つまり魔女の意思無しを表明したことで、残り2人の視点では、1人目である自身が入った場合に2人目参入の可能性が低くなったのです。
1人打ちが敗北ルートである以上は参入がしづらい状況になりました。
2番手はコンボへ向かい、手を出す暇が無い(それこそお金が出ないので肉屋が欲しい)状態になりました。
それでも3番手が入ってくるかと警戒したのですが、5金ではまずは肉屋を入れました。そうするとエンドアクションの数からして魔女は完全に無くなります。終盤に1回打つためだけに買うなら、それは公領に劣ります。
よって参入者0が確定したわけです。

上手く説明できませんでしたが、抑止力の働き合いでこの場は肉屋ステロ正着に固定されていたのです。

そんな経緯の理屈なんてのは試合中に考えていませんが、頭はとても冴えていて、非常に集中していました。
肉屋ステロをする以上、練習通りにデッキの全てを考えます。

リシャッフルし、5金に3コイントークンを足して2枚目の属州。
次に民兵を受けて銅銀蝋燭職人。残り属州5枚。
ここで公領も買えるが買わず。
デッキ9枚内には肉屋が2枚。
1番手属州、2番手属州、3番手肉屋で属州獲得しつつトークン使って公領。
僕は肉屋で手札の金貨を切り属州獲得、
そして銀銀銅に3コイントークン全て支払い8金で属州購入!

属州4枚!!!
よって!!!
1番手と同数!!!!!

よっしゃあああああああああああああああああああああ

そして点数計算
1番手:25

僕のデッキからは屋敷が2枚!!!!!

あああああああああああああああああああああああああああ

勝ってる!!!
勝ってる!!!!!!!!!!!!

この瞬間、身体がぐっと熱くなって、胸の辺りから腕と頭に波が走った。
そのまま涙流した。

そうなってしまうだけの要素が色々あって。
試合で勝った喜びは勿論そうだし、
劣勢に劣勢を重ねたような状態で1番手相手に勝ったのもそうだし
れとさん相手だし。
予選突破したし、
今年の目標に届いたし、
1年前の無念を払拭したし、
1年間で勝てるようになったってことだし。
そんで恐らく一番大きかったのは、完全に努力が実を結んだこと。
自分が1人回しもできない時間制約の中本気で向き合ってきた肉屋ステロ研究が活きて、活かせて、試合中も完全にデッキ管理し切って、それが直に勝利になったこと。
十分な対戦練習ができなかった分、これだけは譲れない、それだけは自信があると、今回はその気持ちだけを支えにして臨んだ大会だっただけに、この勝利は。本当に嬉しい。

 

つい当日の自分を思い出して取り乱してしまいましたが、冷静になって試合の話をしましょう。
このゲームは、民兵というアタックがありながらも12ターン終了でした。
この12ターンの中、2人のプレイヤーが属州4枚を達成しています。
恐ろしい速度です。
これが、パン屋場の肉屋というものです。
正確には、蝋燭職人も場の速度上昇にかなり貢献するカードになっています(もっとも、1番手の屋敷2枚目変換先は銀貨でしたけども。)。
全員が純肉屋ステロを選択した場合、確実に12ターン目は存在しなかったでしょう。

「抑止力の働き合いで肉屋ステロが正着に固定された」と言いましたが、きっかけまで切り崩せば、1番手が肉屋ステロを選択したのもそれが最速だからであり、肉屋から他のパーツへ寄り道して肉屋で締めるのは回り道だからに他なりません。
つまり、最初から完全な肉屋ステロサプライだったんですよね。

更に盤外事情的な観点まで取り込めば、出題者は(パン屋の無い)肉屋場の初手5金格差を嫌うはずです。
初手がたまた5金だっただけで圧勝できてしまうケースが多いためです。これは東ドミを始め基本ギルドをやり込んでいるプレイヤー間では一定の共通認識であったため、それを解消するパン屋というカードがギルドに収録されている以上、それに頼る可能性は大いにありました。

話を戻し。誰も魔女に行かなかった(行けなかった)結果、今回のゲームで肉屋ステロを邪魔する要素は民兵だけでしたが、民兵では肉屋を止められません。
先述の通り初手5金が潰せない以上、民兵では銅貨2枚落とすだけであり、確かに弱くは無いですが確実な足止めにはなりません。
廃棄効果で獲得に困らず、かつ手札の外に購買力を貯められる肉屋相手では相性が悪いです。
そうなると2金出すだけでは相対的に遅いほどで、肉屋の方が断然速い。
誰も肉屋を止められない。
肉屋より速いのは別の肉屋だけ。

再度話は逸れましたが、要はアタックが強烈だとは比較的言い難い場です。
民兵=下位手番の死」と反射的に思ってしまうことはありませんでした。
そう思えば、僕のしたリアクションほど手番絶対不利を感じる必要はありませんでしたね。
まぁ普通にパン屋肉屋と並んでいるだけで下位手番は嫌ですが。

最終的に1位と2位を分けたのは屋敷1枚でしたが、これはお互いデッキ2巡目で屋敷を切った後の、3巡目の動きの違いによるものです。
僕の手札にも屋敷と肉屋がしっかり同居しました。
でも廃棄しませんでした。
なぜなら、民兵を打たれたから!(身も蓋も無い)
まぁ2巡目同様打たれても廃棄するって選択肢がありますし、そもそも打たれずとも廃棄するつもりはありませんでした。
この肉屋場、それが4番手の戦い方だと思います。
1番手なら確実に他のプレイヤーより手数が多いため、肉屋を使って最後に公領を取ればそれで済みます。
よって確実に肉屋ターンで公領を取る、かつ属州力を高める意味で2枚目は廃棄すべきに思います。
しかし逆に確実に手番が少ない4番手は、ここで半手数動いておけなければ勝てないと考えました。
公領で3点単位レースのリードは取られるにしても、屋敷1枚で2位力は高まると踏みました。
結果的には、運も絡んで良い方に転びましたね。

ちなみに、最後に上手いこと属州獲得が行えず手番を回しても2位は取れています。
デッキ内容が肉肉金銀銀銀銅銅屋でコイントークンが3あったので、どうやっても属州購入はできました。
肉屋が5/6の確率で順当に引き込めれば獲得機会獲得で公領が追加できるし、それが今回は運良く属州でした。
とはいえ別に属州1buyのみでも最終的に属州枚数5-1-2-3で得点が31-7-17-20なので2位です。
2位ならば予選通過なので万々歳です。

感動的な勝ち方をしましたが、しかし今回も美談とするには落ち度があります。
最終ターン直前、民兵を受けた11ターン目の購入が銀貨なんです。
その時点で残り属州5枚、1番手3枚独走だが手札3枚、2番手0枚3番手やっと1枚というところだったので、読み違えていました。
肉屋場の終了条件ガーと言っていた割に格好がつきませんね。
○ターン目以降は全て勝利点!と決めていたのですが、読めていなかったのは4人戦、そして民兵の影響です。
肉屋ステロの研究対象はもちろん自分1人分のデッキ管理であったため、1ターンで属州5枚は消えませんし、民兵も打たれません。
他家の終盤追い込みペース、そして民兵の効力がどの程度場を停滞させるものか、よく考えるべきでした。
(カードの移動把握とコイントークンの分配は練習通り完遂できたのですが、)その辺りはまさに懸念通りといったところです(※大会直前まで、身に着けた技術がぶっつけ本番であることに怯えている旨のツイートをしていた)。
対人戦まだまだ弱いのでしっかり経験積みたいですね。

それと、肉屋ステロと決まってしまえば土俵としてデッキ管理体制に入りましたが、それに入る前、4人戦のインタラクションについてもよく分かっていないです。
今回はゲーム開始時に魔女が無いと判断できていませんでした。
retletさんの行動からこの場のことを知れたわけですが、それはretletさんの強さを知っていてかつ絶対的に信頼していた部分があったからで。
僕はドミニオン強くないので、分からない部分は代わりに強い人に判断してもらうことがあります。
でも、最終的には自分が強くなって判断できないとダメですね。
まぁ、他人を見れるだけでも成長はしていると思う…。

 

 

てなわけで、ドミニオン日本選手権予選午前の部が終わりました。
結果は、大会勝利点19VPで、参加人数112人中4位!
おぉ、すごい。
予選(つまり本戦参加者選出)だから順位なんて1位でもない限りは誤差かもしれないけども、本戦参加が目標だったので非常に成し遂げた感覚があります。基本ギルド環境ばかり勉強した甲斐があった。
最後に真顔で言わせていただくけども、勝った瞬間、この一年間で生きてて一番嬉しかった。
あれほどの成功体験が、自分の大好きなもので得られた時に込み上げる感情の大きさは計り知れない。
自分に自信が付いた。


予選で対戦した方々、ありがとうございました!

では次は本戦のレポで!